『神様を待っている』畑野智美 読了してから既に2か月くらいは経っていて、感想を書こうと思えばいつでも書けはしたんだけど、この本のことを思い出す度にお腹の底の変な部分がざわついて、同時にムカムカしてくるからわざと書かなかった。でもいっそのこと、読了感想をちゃんと書いて記事を〆た方が心に一つ区切りが付くかもしれないと思って、改めてこの記事を書いている。ぶっちゃけてしまうと、もう現段階の時点で十分過ぎるほど内容を思い出して嫌な気分になっている。嫌だなあーーー。 この作者は小説の作中で人に意地悪するのがとても上手だ。読書中に次々出てくる登場人物も、その大体が意地が悪い。嫌だ。具体的に何が意地悪なのかというと、本作は扱っているテーマからして内容が重い。勿論、それをある程...11Feb2024読了本HOME
『桜の森の満開の下』坂口安吾 正直、よく分からない話だった。てっきり妻である美しい女の正体は老婆の鬼で、桜の木の下という不気味な妖気溜まりみたいな場所で山賊の男は意図せず真実を見てしまった、というオチだと思っていたから、殺してしまったのが本当に美しい女その人で、しかも桜の花びらに変わって……まあそこまでなら桜に化かされたんだなと納得がいくんだけど、男まで桜の花びらになってしまってうん?と首を傾げてしまった。美しい女は自分以外の妻を殺せと山賊の男に命令したり、さまざまな首が欲しいと少女みたいにねだったり、最初からどう考えても異常な人なんだけど、そうなると山賊の男に攫われる前の夫とはどんな夫婦生活を送っていたのかという部分が謎。というか首で遊ぶくだりが残虐過ぎて、...11Feb2024読了本HOME